英検 学習の進め方

当英語教室では、以下のように英検学習を進めることをオススメしています。

英検準1級を例に、英検学習の進め方をザッと記してみたいと思います。


1.最新の英検過去問に取り組む。

英検の過去問を時間制限を守って、過去問を解いていただきます。もちろん筆記試験リスニング両方です。
この時に、どのパートでどのくらいの点数が取れているかをしっかり把握します。

例えば・・・

 筆記試験  問題内容  点数
 パート1  語彙問題  15/25
 パート2  長文空所補充  4/6
 パート3  長文内容一致  14/20
 パート4  英作文 7 /14
     
 リスニング試験  試験内容 点数 
 パート1  会話内容一致  9/12
 パート2  文の内容一致  6/12
 パート3 Real-Life内容形式   6/10
     
 TOTAL   61/99 

2.合格最低点数に達するために何が必要かを考える。
 (レッスン受講中の方には、具体的な戦略を生徒さんに合った形でご提案しています。)

私が、この表の方であれば、以下の3つを伸ばすことをまず最優先するでしょう。

1.過去問題を使いながら、英作文で+3点ほど伸ばすことを考える。
2.過去問題を使いながら、長文読解部分で+4点ほど伸ばす事を考える。
3.リスニングのパート1とパート3の合計で+3点ほど伸ばす事を考える。

英検準1級合格の最低ラインはおおよそ70点位なので、現時点で61点取れるのであれば、 プラス10点をどこから持ってくるのが、対費用効果の観点から一番高いかを考えます。

一番点数を早く上げる方法は、英作文になるでしょう。過去問題を、実際の試験時に割り当てられる時間を意識しながら、解いてみます。設問に対して適切に答える練習と、文法的なミスを減らす(英文の書き方のパターンを自分の得意な方向である程度絞ると、ミスはかなり減らせるものです。)という視点で進めて行くと、点数は割合短期間で上がるでしょう。

次に、この表の方の場合、長文問題が得意なようなので、ここでもう少し点数を伸ばせないか?と私は考えます。現時点で7割位は取れる=ある程度読めている、ということなので、もし点数を落としているのであれば選択肢の部分を正確に読めていない可能性もあるかもしれません。ですので、過去問をどんどんやっていただきながら、選択肢の部分を正確に読めるように対策をしたり(本文は読めても選択肢の部分が正確に読めていないという方が意外にいらっしゃいます。)基本的な文法事項が良く解っていない為に、フィーリングで文章を読んでいる方の場合は、リーディングに必要な英文法を理解した上で、精読の練習をするだけで、かなり点数が上がる場合もあります。また、英文一文ずつはある程度正確に読めていても、論理展開をを追いながら読めていないかもしれないので、文章の論理展開を意識して読んでいただくだけで、かなり点数が上がるかもしれません。

最後に3つ目のリスニングですが、この表の方の場合、パート1で 9問/12問中正解できるので、聞き取る力はある程度有ると言えるでしょう。ところが、パート2が半分なのでこれは、長文化した時のリスニングが弱いということを意味します。音を聞き取る力はある程度あるのに、長文になると弱いというのは、リーディングの速読力に少し難があるということかもしれませんので、リーディング学習を通じて速読力を養うことで解決するのではないか?と思われます。

以上が私が考える一番対費用効果が高い方法(投入した時間に対してリターンが大きい)だと思います。

確かに、語彙問題が25点中15点しか取れないのであれば、語彙が弱いと言えるでしょう。重要なのは、ここで本当に英単語帳をや過去問題をやりながら、単語を覚えこむことで点数が上がるのか?という事と、それをやるのにどの位の時間を投入する必要があるのか?という点です。

過去に出題されたデータを元に書かれた英単語帳をどんどん覚えこむことができるのであれば、それは効果があるでしょう。ですが、私の指導経験から言うと、
10人中9人が「覚えても覚えても単語を忘れる」とおっしゃいます。これは日本国中の悩みでしょう。(笑)収録語数が2000程に上る、英検準1級専用の単語本を買いこれを覚えこむのに、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?あまり効果的な対策ではないように思います。(長期的な英語学習においては、英単語学習は重要ですが、試験で合格=合格最低点を越える という観点から考えた時に、準1級などの難易度の高い試験に、英単語を覚えただけで合格するようになった生徒さんは指導上ゼロに近いような状況です。)

同じ英単語本を買って覚えるにしても、語彙問題は4択であるという観点から覚えていくと、非常に効率が上がります。効率が上がると、モチベーションも上がるので、結果として英単語を覚えるのもスムーズに進むのです。

おそらく英検準1級の過去問をやり、トータルで60点を超えるような方は、 4択の2つはあまり悩まずに削ることができるはずです。そうすると、重要になってくるのは、残り2つの選択肢の中から自信を持って片方を削ることができるようになることです。

2000語あまりを収録した英単語本てあったとしても、 2000語全てが解らないという事はありませんから(人それぞれですが、3分の1あまりは、完璧とまでとはいかなくとも、それなりに知っているでしょう。)500語から600語余をまず覚えてみるだけで、かなり世界は広がり、正答を選べるようになる回数が増えるでしょう。


3.必要な事が判ったら適切な方法=過去問題で練習を進める。

英検学習をする上で重要な事は、過去問をとにかくシッカリ利用する事です。対策問題集などありますが、過去問題よりも優れている対策問題集はありません。というのも、特に個人が作った対策問題集なのはそうですが、実際の難易度と誤差があったり、作者の主観などが入っている場合があります。ですから過去問をたくさんやった方が、無駄がない学習できるのです。

過去問題をやると、長文の練習やリスニングの練習をやったときに必要な単語や表現が出てきた時も、活きた例文とともに出ているので、より記憶に残りやすくなるのです。

英作文の練習などは、特にそうなのですが、何年分か過去問題をやっていると「こういった雰囲気の問題が出てくる」という事がなんとなくわかるようになります。これこそが過去問をやった時にのみ得られる非常に重要な旨味なのです。

パート1の語彙問題も過去年分位やると「この英単語は前に問題で見たことがある」という感覚が生まれてくるので、同じ過去問題をベースに作られた英単語集を覚え込んでいく時でも、能率が格段に違ってきます。過去問を活かさないということは本当にもったいな話なのです。

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